ケイオスリングスIII

2014年10月16日にスクウェア・エニックスがリリースしたスマートフォン向けRPGケイオスリングスIII」iOS /Android PS Vita版も「ケイオスリングスIII プリクエル・トリロジー」として同日に発売済み)は,2010年にスマホ向けタイトルとして登場した「ケイオスリングス」のシリーズ最新作だ。
 初代ケイオスリングスと言えば,コンシューマ向けゲームに勝るとも劣らない美麗なグラフィックスや,洗練されたシステム,重厚なストーリーなどが盛り込まれ,それまでのスマホゲームの常識を覆した作品とも言える。その後シリーズは,「ケイオスリングスΩ」「ケイオスリングスII」と続き,満を持してケイオスリングスIIIがリリースされたというわけだ。

 本作のストーリーは,浮島シエラで妹のパティと二人暮らしをしている16歳の少年ナスカ(名前変更可能)が,夢の中で出会った謎の女性マリアイヴに導かれ,幼少時より憧れていた惑星マーブルブルーへ旅立つところから始まる。主人公が元気いっぱいの少年であることや,明るい雰囲気の世界観は,隅から隅までダークだった前作までのシリーズ作品との大きな相違点だろう。しかし,そこは「ケイオスリングス」の名を冠した作品。シリーズの血脈はしっかりと受け継がれている。

ケイオスリングスIII
ナスカの妹「パティ」。なかなかのおませさんだ
ケイオスリングスIII
選んだ選択肢によってキャラクターの反応が変わる。ときにはクスリと笑ってしまうような選択肢も

 

ケイオスリングスIII

 というのも,本作ではストーリーが進むにつれ,キャラクター達の抱える葛藤や苦悩が徐々に明らかになっていくのだ。例えば,序盤で仲間になる「だいすけ」は,強い意思を持つ熱血漢だが,実は不治の病に苦しむ母親を救うという目的を持っている。さらに,もう1人の仲間であるリアリーも,唯一の肉親である父親を何者かにさらわれており,それが彼女の運命に大きな影響を及ぼしているのだ。

 主人公やその仲間達が少年少女であるため,これまでのシリーズ作と比べるとずいぶん明るい印象を受ける本作だが,彼らにはさまざまな悩みや障害が設定されている。この点においては,シリーズならではのメッセージ性を継承していると言えるのではないだろうか。また,従来シリーズ作よりも,主要登場人物が等身大の人間として描かれていることもあり,キャラへの愛着も抱きやすい作りとなっている。

ケイオスリングスIII ケイオスリングスIII


本作にはS~Dランクまでのクエストが存在する。SとAはキークエストになっており,メインストーリーを進行させるのに必要なクエストになっている。B~Dはフリークエストで,気軽に楽しめるものが中心だ。ストーリー進行に必要なSやAクエストは,その他のクエストをクリアすると出現するので,先に進めなくなったら,とりあえずクエストをこなすといいだろう

 操作性に関しては,第1作から評価の高いケイオスリングスシリーズの最新作だけあり,非常に遊びやすい。画面のどこかに触れるとバーチャルパッドが表示され,そこを始点に指をスライドさせると,その方向にキャラクターが移動する。指で画面の一部が隠れてしまうという,タッチ操作ならではの弱みもあるが,アクション性がさほど高くないこの手のRPGでは,プレイに支障をきたすほどの問題にはならないだろう。

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